2014年7月14日(月)に本学で開催された標記の国際ワークショップは、多くの学者や外部の方々、学生のあわせて140余名が参加し、無事終了いたしました。
今回の国際ワークショップは、「東アジア地域の留学生移動:『頭脳流出』から『頭脳還流』へ」(“Student Mobility in East Asia: From Brain Drain to Brain Circulation”)というテーマで行われました。(東)アジアを単位とした地域主義に関する議論が活発に行われている中、教育(特に高等教育)分野における国際化と地域化現象において、その実質的な主体となっている「留学生」という存在に関する学術的な議論はきわめて重要であり、時宜にかなったものであります。このような次元から、今回のワークショップでは、(1)東アジア地域において、留学生の国境を越えた移動は果たしてどれほど活発に行われているのか、(2)留学生の移動を促進するために各国政府及び大学はどのような具体的政策を推進しているのか、(3)東アジア地域における留学を通して、学生たちは、果たしてナショナリズムを超え、「東アジア人」という地域的アイデンティティを形成し、将来的には東アジアの発展と平和のために貢献できる人材になりうるのか、などの問いを中心に、真摯な議論をおこなう貴重な機会となりました。
具体的には、日本・韓国・中国出身の5名の専門家が東アジア地域における留学生の移動に関する現状、政策的展開、そして地域的アイデンティティ形成の可能性などについて多様かつ高水準の分析を報告しました。また、日本・韓国・中国・台湾出身の4名の(留)学生が、留学を実際に経験し、それに対する認識を持っている「当事者」としての率直な声を発表しました。
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